懐かしの「ネットバトン」
このブログでも時々紹介させて頂いている、ゆきにーさん (id:yuki_2021) のブログで、とても興味深い記事を見かけた。
「マイインターネットに答えてみた(2025年) - 超メモ帳(Web式)@復活」という「ネットバトン」に答えた記事である。
ちなみに、インターネット上で「バトン」という言葉を見かけたのは、およそ20年ぶりだ。知らない人向けにWikipediaから解説を引用しよう。
インターネットのブログなどにおいて、幾つかの質問に答え、それをブログを見ているであろう人に回すというもの。回された人が実行するかどうかは選択の自由であるが、やる場合は、回した人と同じ質問に答え、誰かに回すというのが基本。
「バトン - Wikipedia」より引用(2024年7月30日 (火) 04:59 時点の記事)

つまり「質問に答えたら次の人に回す」という、大昔のネットの遊びである。
旧ツイッター(現エックス)はおろかmixiよりはるか昔、ジオシティーズみたいな「個人のホームページ」では、しばしば見かけたやつだ。
バトン「マイ・インターネット(2025年)」とは?
この「マイ・インターネット(2025年)」というバトンは、アメリカのネットで産まれたものを、ねじまきさん(id:popmusik3141) が翻訳してアレンジしたものだ。
詳しくは「マイ・インターネット(2025年)を募集します。 - ねじまき日記」を参照して欲しい。
このバトンを一言でまとめるなら、「あなたの“インターネットとの付き合い方”──AI・検索・SNS・メディア・思想・技術への向き合い方を総合的に問うもの」といったところだ。
ゆきにーさんの回答は大変ためになるし、自分も「今どきのネット」に思うところがある。
そこで指名はされていないが、このバトンに生まれて初めて回答させていただくことにする。
- 懐かしの「ネットバトン」
- マイ・インターネット(2025年)
- 生成AIで、最もワクワクすることは何ですか?
- 人工知能に関して心配していることはなんですか?
- 普段AIをどう使ってますか?
- Google、Instagram、Tiktok、etc…普段どんな方法で検索をしていますか?また、AIを活用した検索を使っていますか?
- 最近あなたを笑わせたミームや投稿はありますか?
- オンラインで議論することについてどう思いますか?
- 読みたいのにオンラインのどこにも見つからないようなコンテンツはありますか?
- 暗号通貨、メタバース、およびまたはWeb3についてどう思いますか?
- イーロンマスク氏買収以後のツイッター(X)についてどう思いますか?感じた変化は?
- 分散型SNSを使ってますか?(アカウントを載せて頂いてもOKです)
- おすすめのウェブメディアはありますか?
- おすすめのニュースレターはありますか?
- おすすめのポッドキャストはありますか?
- マノスフィア(manosphere)についてどう思いますか?
- 動画のストリーミング番組をひとつに絞るとしたら、どれを選びますか?おすすめの番組もあれば。
- おすすめのスマホアプリは?
- 自分だけが知っているおすすめの個人サイトを教えてください
- はてなブログ(もしくはブログというメディア)に、思うことや期待していることは?
- インターネットをやっててよかったと思える最近の出来事は?
- 終わりに
マイ・インターネット(2025年)

生成AIで、最もワクワクすることは何ですか?
人工知能に関して心配していることはなんですか?
偽情報の拡散、デジタル贋作による情報汚染が心配だ。
技術そのものは悪くないのに、「モラルのない使い方」が横行しているのを見ていると、20年前に起きた「Winny事件」を思い出してしまう。
「Winny事件」とは、ファイル共有ソフト「Winny」が著作権侵害などの犯罪行為に悪用され、その結果、開発者の法的責任が最高裁まで争われた裁判のことだ。
私が大学生のときに受けた情報倫理の授業では、「(Winnyの技術は)包丁のようなもの」と例えられていたのを、今でもよく覚えている。
普段AIをどう使ってますか?
ブログやnoteの原稿を推敲したり、そもそも自分の疑問やアイデアを整理するのに使っている。もしかしたら気づいている人がいるかもしれないが、このバトンの回答内容もAIの力を借りて書いた部分がある。
ただ言葉遣いなど、AIの作る文章には違和感を覚えることがよくある。そういうときには、ネットや辞書で調べるようにしている。
私の場合、高校生のときに使っていた電子辞書が今でも役に立っている。
すぐに正確な情報が得られるので便利だ。
ちなみに電子辞書を新品で買うなら2~3万円もするが、メルカリには状態の良いものが5,000〜1万円ほどで多く出品されている。中古購入に抵抗がない方なら、かなり現実的な選択肢になるはずだ。
Google、Instagram、Tiktok、etc…普段どんな方法で検索をしていますか?また、AIを活用した検索を使っていますか?
まだまだGoogle検索が欠かせない。ただし検索画面に必ず出てくる「AIによる概要」は今ひとつと感じている。
ところで最近よく使っているのが、ChatGPTのDeepResearch機能だ。
こちらの質問の意図を確認したうえで、ネット上の資料から必要な情報を集めて、レポート形式でまとめてくれる。
出典の確認は必要だが、普通に検索したり専門書を読んだりするより、ずっと効率がいい。
またエックス(旧ツイッター)の検索は昔から使いにくいので、最近ではGrokに検索させている。その際、指示文の末尾には「ポストのリンクも示して」と入力すると、回答結果からすぐポスト(旧ツイート)を参照できるので便利だ。
最近あなたを笑わせたミームや投稿はありますか?
特にはない。ただ「グエー死んだンゴ」からのバタフライエフェクトは意外だった。
オンラインで議論することについてどう思いますか?
結論から言えば、オンライン(というよりSNS)で議論するのは不可能。
ネット上、とくにエックス(旧ツイッター)では感情的でその場限りの議論が多いと感じている。
なぜなら前提が共有されないまま勢いで話が進み、「内容」より「盛り上がり」が優先されてしまうからだ。
その結果、表面的で感情的な意見ばかりが拡散され、一部インフルエンサーに煽られて話が歪み、誤解や炎上につながることがよくある。
これが、今のSNS上の「議論」に対する自分の実感だ。
これについては、先ほどのゆきにーさんがズバリ言い当てているので引用しよう。
(前略)今のインターネットの議論においてはアテンション・エコノミーによる極論による論破が重んじられている。少なくとも今のインターネットプラットフォームで誰かと議論したいとは思わない。
読みたいのにオンラインのどこにも見つからないようなコンテンツはありますか?
地方の歴史、特に廃校になった学校の歴史だ。
ネットに出ているのはごく簡単な概要や噂話だけで、学校の成り立ちや校舎の変遷、朽ちる前の建物の姿、行事や校歌、卒業生の寄稿といった細かな記録は、紙の資料にしか残っていない。
こうした「失われた歴史」は、閉校記念誌や合併前の町史にしか載っていないことが多いので、図書館のレファレンスサービスを使いながら、一つひとつ郷土資料を当たる必要がある。
司書の方のご協力がなければ、こうした調査活動はできなかっただろう。
この場を借りてお礼申し上げる。
こうして調べた結果については、来年から私のnoteで取り上げる予定だ。
楽しみにして欲しい。
暗号通貨、メタバース、およびまたはWeb3についてどう思いますか?
暗号通貨については、ビットコインをニュースで見かける程度。あとは極一部のフォロワーがマイニングをしていたぐらいの印象しかない。Web3は今ひとつピンとこなかったので省略。
ただメタバースについては、VRChatがフォロワーの間で流行っているので興味はある。
これに人工知能を組み合わせれば、大昔に見たアニメ「電脳冒険記ウェブダイバー」のような世界観が令和に再現できるかもしれない。
なおウェブダイバーについては、私が過去に書いたブログを読んでもらえたら嬉しい。
イーロンマスク氏買収以後のツイッター(X)についてどう思いますか?感じた変化は?
トレンドの把握や情報収集の手段として、使い物にならなくなった。
ツイッター末期からそうだったが、特にエックスに変わってからは、以前より増して炎上目的の対立的なポストを見かける。
この今の現状について、次のポスト(ツイート)が的確に言い当てているので紹介しよう。
X、どうやら人間の争いをメインコンテンツだと思っているらしくどんなにドスケベをリポストしてもおすすめ欄には男女、政治、その他多種多様な対立や差別を混入させてくる
— ノア72 (@plus_minus_13) 2025年11月22日
こうした現状を振り返ると、どうしても思い出されるのが福岡IT講師殺害事件だ。
はてな界隈ではよく知られているブロガー・Hagex氏がネット上の恨みを買って殺害された、あの衝撃的な事件のことだ。
あれほど極端なケースは滅多にないにしても、こうした危険性は決して忘れてはいけないと感じている。
分散型SNSを使ってますか?(アカウントを載せて頂いてもOKです)
避難先としてDiscordやBlueskyを使っている。またプライベートな連絡用としてLINEは欠かせない。
最近では見る専としてInstagramも開設したが、使い方が今ひとつ分からない。
そして、どのSNSも将来的には今のエックスのように荒れてしまうのではないかと懸念している。
それより私は、誰かと喜びや悲しみを分かち合い、幸せになって欲しいと願う……そういう使い方をしたい。
おすすめのウェブメディアはありますか?
特になし。
おすすめのニュースレターはありますか?
特になし。
おすすめのポッドキャストはありますか?
特になし。あえて言えば、NHK R1の「マイ!Biz」は通勤中に「NHKラジオ らじる★らじる」経由で聞いている。
ポッドキャストはそこで知ったので、リンクを貼っておく。
マノスフィア(manosphere)についてどう思いますか?
あまりにも聞き慣れない言葉なので検索してみると、つまり「インセル」や「弱者男性」のことらしい。
だが、こうした話題は抽象的で雲をつかむような話が多くて、「それ、以前にも話していたよね?」ということも少なくない。
いずれにしても極論が拡散されがちなので、「わかるところもあるけど、正直付き合うのがしんどい」というのが本音だ。
これ以上のことは、「オンラインで議論することについてどう思いますか?」と似たような答えになるので、割愛させていただく。
動画のストリーミング番組をひとつに絞るとしたら、どれを選びますか?おすすめの番組もあれば。
AmazonのPrime Video。広告フリー登録(月額390円)は欠かせない。
またPrime Video内のサブスクリプション契約で、「dアニメストア for Prime Video」も追加している。
このお陰で、私が見たい映画やアニメの大部分はカバーできているので、助かっている。
さらには「Kindle Unlimited」「Amazon Music Unlimited」も契約して、いつでもどこでもエンタメを楽しめるようにしている。
おすすめのスマホアプリは?
朝の通勤中でもネットさえつながれば雑音なく聴けるので、移動しながらニュースをチェックするとき本当に助かっている。
自分だけが知っているおすすめの個人サイトを教えてください
山さ行がねが
「山さ行がねが」とは、ヨッキれんさんが運営している探索系の個人サイトだ。
もしかしたら、史上初の廃道探索をテーマにした漫画「はいどう!」がコミックキューンにて連載されたので、そちらで知った方がいらっしゃるかもしれない。
ヨッキれんさんは、今では使われなくなった廃道や、惜しまれながら廃止になった鉄道の跡などを実際に歩いて痕跡を探したり、様々な文献から調査したりして、交通網の歴史を紐解いている方だ。
特に感動したのは、静岡県山間部を縫うように走っていた「千頭森林鉄道」特集だ。
「森林鉄道」とは、木材の運び出しを目的に建設された鉄道で、かつては日本国内の林業を支えていた交通手段だった。
私は図書館で木曽森林鉄道の特集DVDを観たことがあるが、簡素なディーゼル機関車が木材や小さな客車をガタゴト運ぶ姿は驚きを覚えた。
一方で千頭森林鉄道は、戦前から高度経済成長期にかけて「マンモス」と例えられるほど、大規模に運用されていた。
この廃線跡を探索するレポートのうち、80年近く前に廃止された山奥の路線を泊まりがけでトレースするレポート「奥地攻略作戦」は、不定期の長期連載ながら続きを楽しみに読んでいた。
お時間があるとき是非とも読んで欲しい。
事故災害研究室
「事故災害研究室」とは、きうりさんが手掛けているノンフィクション・ドキュメントである。
以前は別サイトで公開されていたが、サービス終了によりBloggerへ移転して、以降はこちらで更新されている。
国内外で起きた火災や事故について詳細に調べており、最近Youtubeで見かける「まとめ動画」とは一線を画すボリュームと、きうりさんによる読みやすい文章が特徴的だ。
かの有名な「千日デパート火災」は、このサイトで知った。
はてなブログ(もしくはブログというメディア)に、思うことや期待していることは?
貴重な個人発信型のメディアとして残って欲しい。
エックスなどSNSのTLではすぐ流れてしまうような、「話題になりにくいトピック」や「印象に残りにくい話」をアーカイブするのにちょうどいい。
インターネットをやっててよかったと思える最近の出来事は?
「こういうのが好きなのは自分だけだろう」と思っていた趣味について、私と同じように愛する人達と出会えたこと。
オタクといえば流行りのアニメやゲームばかり注目を集める中で、コレクター気質の古いオタクである私にとって、話がわかる仲間ができて本当に嬉しかった。
終わりに
バトンについて書くのは生まれて初めてだったが、こんなに書くのが大変だとは思わなかった。AIなしの時代なら、面倒くさくて挫折していたかもしれない。
しかし最近のネットについて、私が思うことの一部でも吐き出せて良かったと感じる。
このような有意義なバトンを作ってくださったアメリカの方や、それを日本向けにアレンジされたねじまきさん(id:popmusik3141)には、この場を借りてお礼申し上げます。
また文中のイラストは、「いらすとや」よりお借りしました。ありがとうございました。
バトンのリレー先について

最後に、このバトンをお願いしてみたい方々を、ここでご紹介させていただきたい。
それは、「たにしさん(id:Ta-nishi)」と、「葉梨はじめさん(id:banashi1)」である。
どちらも、はてなブログを使われているブロガーの方々だ。
たにしさん(id:Ta-nishi)
たにしさんは、私が以前「はてなブックマーク」を使っていた頃に知った方だ。
「スクールカースト」の概念を日本で広めた方でもあり、かつては「はてな非モテ論壇」の一人としてご活躍されていたそうだ。
私には答えにくい「マノスフィア(manosphere)」や、最近の「ネット世論」について、もしかしたら何かご存知かも知れないと思ってお声掛けさせていただいた次第だ。
葉梨はじめさん(id:banashi1)
葉梨はじめ(本名:石井あらた)さんは、和歌山県の山奥にあるシェアハウス「共生舎」で、仲間たちと一緒に「山奥ニート」として10年間暮らしてきた方だ。
そのうち最初の5年間の試行錯誤や出来事をまとめたのが、著書『「山奥ニート」やってます。』である。
さまざまな理由で居場所をなくした人たちが、山奥で自由気ままに過ごす――そんなオルタナティブな生き方「山奥ニート」に、私は深い感動を覚えた。
ところが昨年1月に「山奥ニートやめます」という記事が公開され、私は大きな衝撃を受けた。しかもその前日に彼の著書を読み終えたばかりだったので、なおさらショックだった。
そんな出来事が重なったこともあり、彼の本は私にとって特別な一冊になった。だからこそ、この思いをきちんと書き残したくて、noteで読書感想文として紹介したいと思っている。
さて、私が石井あらたさんを指名させていただいたのは、現代社会を取り巻く「資本主義」や「新自由主義」から一歩引いて見つめ直す、いわゆる「脱成長論」の視点がとても気に入っており、そのまなざしでバトンを受け取っていただきたいと思ったからだ。
ご興味があれば、お二人ともバトンを受け取っていただけたら幸いである。



