無理に働かなくてもいい働き方改革
はじめに
このたび新型肺炎で亡くなられた方のご冥福をお祈りします。
また闘病中の方々の、一刻も早い回復をお祈り申し上げます。
「無理なく働くことができる社会」とは?
新型肺炎の大流行により、様々なイベントが延期や中止になっている。
そのせいで週末のイベントを潰された、働く人たちの憎しみや悲しみの声を、しばしばツイッターで見かける。
しかし生きていくためには、いつものように渋滞する道路や、時差出勤ですら混み合う満員列車といった通勤ラッシュに耐えながら働く必要がある。特に満員電車は、ウイルス感染が心配されているほど混み合うようだ。
そして、そもそも「(こういうときですら)誰かが無理して働かないと生きていけない」という根本的な問題がある。
それでは単に体調の悪いときや、このような非常事態のときに、無理に働く必要がない労働スタイルとは、なにがあるのか?
それは、
である。
どちらも、わざわざ人混みの中へ出かける必要がない。またセミリタイアなら、そもそもこんな時に働く必要はない。
特にセミリタイアは、真の「働き方改革」になるのではないかと、私は考えている。
2つの新しい働き方改革
フリーランス
冒頭で取り上げた嘆く人たちは、(多分)会社に就職して働いている人たちだ(派遣社員も含む)。他にもパートやアルバイトといった、時給制の人もいるはずだ。
つまり、働いた日数や時間の分だけ給料をもらう働き方である。
一方でフリーランスとは、会社などから仕事をもらって、「成果に応じた報酬を得る」働き方だ。
ツイッターで時々見かける、フリーのイラストレーターやシステムエンジニアが、そういう人たちだ。詳しくはリンク先を参照。
フリーランスの盲点
フリーランスになったら
手取りが増えると勘違いしてる人がいるけど営業、経理、庶務という業務が増え
雇用保険がなくなり厚生年金の二階建てが消え
ローンも組めなくなる一人で幾つも役職を兼務して
リスクを取った上での昇給であって
実力があがったわけじゃないからね勘違いすると痛い子だよ
— Motcii (もっち〜) @ 逆張り経営のエンジニア社長 & 「iU」客員教授 (@maple_no_motcii) 2019年3月14日https://twitter.com/maple_no_motcii/status/1106328533171765248?s=20
※太字は筆者による加工
しかし雇われの会社員とは違って、自分で仕事を探して受注しなければ、報酬は得られない。
また会社員なら事務職の人たちがしてくれる事務作業を、フリーランスは自分で全部やらなければならない。
様々なデメリットを受け入れてまでフリーランスになるなら、かなりの覚悟が必要だ。
セミリタイア
セミリタイアとは、思い切って「働く時間を減らす」ライフスタイルである。
単純に労働時間を減らすと収入は減る。
しかし日本より物価の安い国なら、同じコストをかけて得られるメリットが日本より大きい。
つまり、収入が低くても「ゆとりをもった生活」ができる(可能性が高い)。
少々古い情報(2018年3月1日更新)だが、
タイの首都バンコクの郊外では、月々5万円の家賃でホテルのような快適さが手に入り、1日2000円程度の食費で朝昼晩の食事を十分カバーできる。
他に光熱費など含めて東京では20万円かかる生活費が、なんとタイの首都バンコクではトータル13万円程度に抑えられるそうだ。
下見も兼ねた海外旅行のすすめ
話は変わるが、「海外の常識は日本の非常識」である。
国も違えば文化も違ってくる。様々な意味で日本とは違うのだ。
だから、まずは格安航空会社(LCC)などを使って一人旅をして、外国の雰囲気や作法を知ってから、徐々に滞在期間を伸ばして検討すべきだ。
去年の2月ごろに私が台湾に行ったのは、その下見も兼ねたのだ。
国際情勢や治安も安定している親日国なので、新型肺炎騒動が収まった頃には、もう一度行ってみたい。
セミリタイアのコストについて
ところで。国が発展するにつれて、どこも物価が上昇しつつあると聞く。首都なら当然だ。
すると「日本も海外も大して物価は変わらなくなるのでは?」という疑問がわく。
そこで以前、実際にセミリタイアをされているcubさんに伺ったところ、
「(個人差はあるが)工夫次第でまだまだ安く抑えられる」そうだ。
私は案外何とかなると思ってます。節約は出来る人はできる、出来ない人はできない。豊かになるとインフラコストとか安全コストとか下がるものありますから個人差によると思います。
— cub (@cub_nomad) 2019年7月31日https://twitter.com/cub_nomad/status/1156479351237386241?s=20
実際に2019年上半期の生活費は、なんと国内外トータルで50万円程度に抑えている。
台湾やタイにある物価の安い街*1で過ごせたのが、大きな要因らしい。
節約生活を国内外で続けた結果、2019年は支出が100万円~120万円、収入100万円程度で十分暮らせたそうだ。
セミリタイアの盲点
しかしセミリタイアするには、ある程度のまとまった資金が必要だ。
上記ブログでは、目安として「1年の支出✕セミリタイアで暮らす年数」の貯金が示されている。
また出費のコントロールも大事で、日本料理が恋しくなって和食屋に通ったり、
現地では輸入品になる日本の食品を買ったりすると、簡単に予算をオーバーしてしまう。
実際、資金が底をついてしまい、せっせと日本で働くはめになるパターンもよくあるそうだ。一種のストイックさが求められる。
これを解決するために、先程のcubさんの場合、支払った分だけ日本で稼いで取り戻す「収支均衡型セミリタイア」を実践している。
また別の方法だが、クラウドソーシングなどを使って海外にいる間はフリーランスの仕事を受注して、滞在費の足しにするといった方法も、やり方次第では可能である。
セミリタイアは働き方改革の救世主か?(まとめ)
ツイッターを見ていると、年金制度の崩壊や民間企業の定年延長といった暗いニュースを見かける。
楽観的になれないのは私も同意する。
しかし、「ちょっと稼いでは物価の安い外国で過ごす」セミリタイアという新しい働き方を頭の片隅に置いておくと、多少は気が楽になった。
「そんなことは無理だ!できない」という意見は分かる。
しかしネット通販や便利なサービスが普及した現在、支出を効率的に切り詰めれば、例えば海外への渡航費だって捻出できる。
まずは、コンビニでの買い食いやラーメンなどの外食を控えるだけでも、資金的余裕が生まれるので、試してほしい。
安易な絶望論に浸ることなく、「フリーランス」や「セミリタイア」といった、
自分なりの働き方やライフスタイルを見つけるのが、令和時代に求められる「真の働き方改革」ではなかろうか?
謝辞
cubさんと付利意雷布亜さんには、セミリタイアや節約術の話で大変お世話になりました。ありがとうございました。
また文中のイラストは、「いらすとや」よりお借りしました。ありがとうございました。