人間になりたがったサーバル
劇団四季の子ども向けミュージカルの一つに、「人間になりたがった猫」という話がある。
人間に強いあこがれを持つライオネルという飼い猫が、飼い主である魔法使いの老人に口答えした結果、罰として人間に変身させられ、2日間限定で街へ追放されてしまう。
しかし人として過ごしていくうちに、人のすばらしさを知り…という話だ。
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人ならざる者が人間に近づいていく話は、古くはディズニーの名作ピノキオ(女神様に命を吹き込まれた木の人形)から始まり、最近だと「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」(替えはいくらでもある*1超兵器にAIが覚醒)がある。
そして今回のお題は「けものフレンズ」より、動物側の主人公、サーバルちゃんである。
記憶喪失に悩む、かばんちゃんと行動を共にして、かばんちゃんの正体(おそらくホモサピエンスであろう)について探す旅物語である。
フレンズ化という謎の作用*2で、人の姿とある程度の知性を得たが、ほかのフレンズと同様、ケモノ的要素を色濃く残しているのだ。
あまり長いこと走れなかったり、「透明な容器に入った地図」を取り出せなかったり、「円状のモノ(ハンドル)を握って回す」という動作を知らなかったり、火をとても恐れたり…と。詳しくは、「本しゃぶり」さんが、以下の記事の前半で考察されているので、そちらに譲る。
だが、衝撃的な出来事が起きた。それが最終話「ゆうえんち」である。
以下ネタバレ注意
野性解放の瞳の描写
けものフレンズで知ったのだが、ヒグマは火を恐れないらしい。
ところで、かばんちゃんがヒトだと特定された第7話で、火を扱うシーンがあるのだが、かばんちゃん以外のフレンズは完全にビビっていた。
火を自由自在に操れるのは、多分ヒトだけである。*3
しかし、11話や12話の戦闘シーンをよく見てほしい。
爆発的な攻撃力を得られる「野生解放」*4を発動させたとき、フレンズたちの瞳は全て光っている。
しかし12話で火の着いた紙飛行機を投げたサーバルちゃんは、3分の2しか光っていなかった。
どういうことか?以下、筆者の推測を述べる。
「野性」から解放されたサーバルちゃん
おそらくフレンズ化したサーバルちゃん含む動物たちは、普段はヒトと動物(むしろ、けもの?)の間、つまり「フレンズのサーバルちゃん」の位置に立っているのだろう。
だが、あの火が着いた紙飛行機を投げた時点で、サーバルちゃんは「野生開放」ならぬ「"けもの"としての野性から開放」され、「ヒトとしてのサーバルちゃん」という領域に達したのではないかと思う。「野性」でググると、コトバンクにあるデジタル大辞泉では「自然のままの性質。本能のままの性質。」とある。
そこの段階から解脱できたのは、とても大きなことだったと思うのだ。
なお解説イラストに使っている「サーバルのイラスト」は、イラストやからお借りした。ありがとうございました。
*1:Cadenzaでのムサシの発言より
*2:このため、耳のよいサーバルちゃんはサーバル特有のケモ耳でヒトには聞こえない音まで拾えたり、鳥がフレンズ化すると空を飛ぶことができる
*3:もっとも扱いを間違えればヒトもケモノも死んでしまう諸刃の剣である事を忘れてはならない
*4:漢字は、 https://kemono-friends.gamerch.com/%E9%87%8E%E7%94%9F%E8%A7%A3%E6%94%BE%EF%BC%88%E2%98%85%E2%98%85%E2%98%85%E2%98%85%E2%98%85%EF%BC%89 を参考